開幕戦は、試合前から独特の緊張感があります。新監督の初めての公式戦、相手は昨季までJ1で戦っていたアルビレックス新潟。期待と不安を抱えながらNACK5スタジアム大宮へ向かった方も多かったのではないでしょうか。
2026年8月8日、RB大宮アルディージャはアルビレックス新潟に1-0で勝利しました。決勝点は5分の山本桜大選手。派手なゴールラッシュではありませんでしたが、最後まで守り切った大宮らしい開幕戦でした。
RB大宮対アルビレックス新潟の試合結果
試合は、開始5分にいきなり動きました。
新潟のクロスをGKトム・グローバー選手がキャッチすると、すぐに前線へボールをつなぎます。カプリーニ選手が中央へ運び、相手の守備の間へスルーパス。そこへ斜めに走り込んだ山本選手が右足で合わせ、ゴールネットを揺らしました。
山本選手は今季からインサイドハーフという中盤の攻撃的なポジションに挑戦しています。インサイドハーフは、攻撃だけでなく守備にも参加し、前線へ飛び出す役割を担うポジションです。その新しい役割で、開幕戦の先制点を決めたことには大きな意味がありました。
公式記録では、大宮のシュート数は13本。新潟の6本を上回っています。最終的なスコアは1-0でしたが、前半を中心に大宮が多くのチャンスを作った試合でした。(公式試合記録)
勝敗を分けたポイントは試合の入り方
今回の勝敗を分けた最大のポイントは、大宮が試合開始直後から前へ出られたことだと思います。
新潟の攻撃を受けてから落ち着いて組み立てるのではなく、ボールを奪った瞬間に縦へ速く進みました。カプリーニ選手の運ぶ力、関口凱心選手の右サイドの走り、山本選手の裏への動きがうまくかみ合った形です。
サッカーでは、相手陣内でボールを失ったあと、すぐに奪い返す守備を「即時奪回」と呼びます。この日の大宮は、ボールを失っても選手同士の距離が近く、次のプレーへ素早く切り替えられていました。
特に前半は、セカンドボールを拾う場面が多く見られました。セカンドボールとは、競り合いやこぼれ球のあとに、どちらのチームにも完全には収まっていないボールのことです。ここを大宮が回収できたことで、攻撃を続ける時間を作れました。
RB大宮の守備が新潟の反撃を止めた
先制後の大宮は、攻め続けるだけではなく、守備でも集中力を保ちました。
新潟は大宮のディフェンスラインの裏へボールを送り、同点を狙ってきました。しかし、尾崎優成選手がスピードを生かして対応。中央では西尾隆矢選手と尾崎選手が、強さと速さを組み合わせながら新潟の攻撃を抑えました。
後半は新潟が押し込む時間も増えましたが、大宮は全員が自陣へ戻り、ゴール前のスペースを埋めます。終盤には低い位置で守備陣形を整える「ローブロック」を組み、相手に自由なシュートを打たせませんでした。
この日の大宮は、ボールを握る時間だけで勝負していません。相手に押し込まれたときも、慌てずに身体を張って守りました。後半アディショナルタイムの村上陽介選手のヘディングクリアは、その象徴的なプレーだったと思います。
追加点を奪えなかったことは課題
勝利した一方で、課題もはっきりしています。それは、チャンスを作りながら追加点を奪えなかったことです。
前半には山本選手のクロスから泉柊椰選手がヘディングで狙い、カプリーニ選手のラストパスからカルリーニョス・ジュニオ選手にも好機がありました。後半もカルリーニョス選手のヘディングや泉選手のカットインシュートなど、ゴールに近づく場面はありました。
それでも2点目が入らなかったため、終盤はどうしても守る時間が長くなりました。1-0の試合では、相手の一度のセットプレーやこぼれ球で流れが変わる可能性があります。
監督も試合後、作ったチャンスを決め切れれば、もっと楽に試合を終えられたという趣旨のコメントを残しています。セットプレーは、コーナーキックやフリーキックなど、ボールが止まった状態から始まるプレーです。今後は流れの中だけでなく、こうした場面で追加点を取れるかが重要になります。
新加入選手と交代選手の存在感
この試合では、交代選手の働きも見逃せません。
62分には山本選手に代わって中山昂大選手、カルリーニョス選手に代わって杉本健勇選手が入りました。交代直後には、高い位置でボールを奪って杉本選手がスルーパスを送り、中山選手が新潟ゴールを脅かしています。
74分から出場したスファナット・ムエアンタ選手も、ドリブルで前へ運び、攻撃に変化を加えました。相手に囲まれてもボールを失わない技術は、今後の楽しみです。
開幕戦から全員が完成された状態だったわけではありません。それでも、先発選手と交代選手がそれぞれの役割を果たし、最後まで強度を落とさなかった点は好材料です。
まとめ|RB大宮は新潟戦で勝点3をつかんだ
RB大宮アルディージャは、山本桜大選手の5分のゴールを守り切り、アルビレックス新潟に1-0で勝利しました。
勝敗を分けたのは、試合の入り方、セカンドボールへの反応、そして最後まで崩れなかった守備です。一方で、追加点を奪えなかったことは今後の課題として残りました。
ホーム開幕戦で得た勝点3は、新監督のチームにとって大きな一歩です。次節はアウェイでFC今治と対戦します。NACKで見せたエネルギーと粘り強さが、次の試合でも続くのか、ぜひ注目して応援しましょう。

