鹿島アントラーズが気になるけれど、「なぜ常勝軍団と呼ばれているの?」と感じる人もいるかもしれません。長年のファンである私も、改めて歴史を振り返ると、21冠という数字以上に、勝ち続けるための文化が鹿島にはあると感じます。
この記事では、鹿島アントラーズの21冠の歩みと、「常勝」と呼ばれる理由を、初めて観戦する人にも分かりやすく紹介します。
鹿島アントラーズの21冠とは?タイトルの内訳
鹿島の21冠は、2025年のJ1リーグ優勝を含めた国内外の主要タイトル数です。内訳は、J1リーグ優勝が9回、Jリーグカップ優勝が6回、天皇杯優勝が5回、AFCチャンピオンズリーグ優勝が1回です。
Jリーグカップは、現在のルヴァンカップにあたる大会です。リーグ戦のように長いシーズンを戦う大会とは違い、短期間のトーナメントやグループステージを勝ち抜く難しさがあります。天皇杯は、Jリーグ以外のカテゴリーのクラブも参加する日本最古の大会です。
つまり鹿島は、リーグ戦だけでなく、さまざまな方式の大会で結果を残してきました。特定の条件でだけ強いのではなく、状況に合わせて勝ち上がる力を持っているのです。
鹿島の黄金期を築いた1990年代
鹿島の歴史を語るうえで、ジーコの存在は欠かせません。選手として鹿島に加わったジーコは、技術だけでなく、プロとしての姿勢や勝利へのこだわりをクラブに伝えました。
1993年、Jリーグが開幕した当時、鹿島は決して大都市のクラブではありませんでした。それでも1996年に初のリーグ優勝を果たし、1997年にはJリーグカップと天皇杯も制覇します。
この時代を支えたのが、秋田豊、相馬直樹、名良橋晃、本田泰人、黒崎比差支らの選手たちです。派手なスターだけに頼るのではなく、守備で粘り、球際で戦い、最後まで諦めない。現在の鹿島にも通じる土台は、ここで形づくられました。
1998年には2度目のリーグ優勝を達成。クラブが「一度だけ優勝したチーム」ではなく、「何度も頂点に立つチーム」へ変わっていった時期です。
2000年、鹿島が成し遂げた三冠
鹿島の歴史で特に象徴的なのが、2000年です。この年、鹿島はJ1リーグ、Jリーグカップ、天皇杯の三冠を達成しました。
三冠とは、国内主要タイトルを同じシーズンにすべて獲得することです。リーグ戦では長期間安定して戦い、カップ戦では一発勝負のプレッシャーを乗り越えなければなりません。どれか一つを勝ち取るだけでも難しいなか、三つすべてを制した価値は非常に大きいものです。
この時期の鹿島には、柳沢敦、小笠原満男、中田浩二、鈴木隆行ら、後の日本代表にも名を連ねる選手がいました。攻撃の華やかさだけでなく、試合の流れを読む力や、苦しい時間を耐える集中力が印象的でした。
私が鹿島の試合を見ていて強く感じるのは、勝負どころで慌てないことです。1点を守り切るのか、もう1点を狙うのか。その判断を、選手とベンチが共有しているように見える瞬間があります。三冠は、そうした判断の積み重ねが生んだ結果でした。
2007年から2009年、Jリーグ史上初の3連覇
2007年、鹿島は久しぶりにJ1リーグを制しました。そこから2008年、2009年も優勝し、Jリーグ史上初のリーグ3連覇を達成します。
中心にいたのは、小笠原満男、内田篤人、岩政大樹、曽ヶ端準、野沢拓也らです。小笠原が中盤で試合を落ち着かせ、内田が右サイドを駆け上がり、岩政が守備を支える。若手と経験豊富な選手が組み合わさり、チームとしての完成度を高めていました。
3連覇の難しさは、前年に優勝したあとも、相手から研究され続ける点にあります。勝つことより、勝ち続けることのほうが難しい。鹿島は対策を受けながらも、自分たちの強みを失わず、毎年タイトルを積み上げました。
この「前年の成功に満足しない姿勢」こそ、常勝と呼ばれる理由の一つです。
2016年の劇的な優勝と、アジア制覇
2016年、鹿島はJ1リーグと天皇杯を優勝しました。特にJ1リーグでは、年間勝ち点で決める方式ではなく、チャンピオンシップを勝ち抜いて頂点に立ちました。決勝では浦和レッズを相手に、2試合合計で逆転優勝を果たしています。
大舞台での勝負強さを、改めて示したシーズンでした。
そして2018年、鹿島はAFCチャンピオンズリーグで初優勝します。アジア各国の強豪クラブと戦うこの大会で、鹿島はホームとアウェイの厳しい試合を乗り越えました。国内タイトルだけでなく、アジアの頂点にも到達したことで、21冠の歴史に大きな一ページが加わります。
2025年には、鹿島が9度目のJ1リーグ優勝を達成し、21冠目を獲得しました。長いタイトルの空白を乗り越えての優勝だったからこそ、サポーターにとっても特別な意味があります。
筆者自信サポーターとして初めてのタイトルだったので、とても感慨深いものがありました。
また、現地で優勝を見届けることが出来て非常に思い出として忘れられないものです。
鹿島が「常勝」と呼ばれる本当の理由
鹿島が常勝と呼ばれるのは、単に優勝回数が多いからではありません。選手が入れ替わっても、監督が変わっても、勝利を目指す基準がクラブに受け継がれてきたからです。
ジーコが伝えたプロ意識、先輩から後輩へ受け継がれる勝負への姿勢、そしてホームタウンやサポーターの存在。これらが一つになり、鹿島独自の文化をつくっています。
もちろん、毎年すべての試合に勝てるわけではありません。苦しい時期もあります。それでも、勝てなかった試合から何を学び、次の試合でどう立て直すか。その積み重ねが、鹿島の強さです。
初めて観戦するなら、ゴールだけでなく、失点後の選手の表情や、終盤の球際にも注目してみてください。鹿島の「常勝」は、華やかな数字の裏にある、一つひとつのプレーから感じられるはずです。
まとめ:21冠の先にある鹿島を見届けよう
鹿島アントラーズの21冠は、1990年代の礎、2000年の三冠、2007年からの3連覇、2018年のアジア制覇、そして2025年のJ1優勝へ続く歴史です。
「常勝」とは、負けないチームという意味だけではありません。何度でも立ち上がり、次のタイトルを目指し続けるクラブの姿勢そのものです。
まずは一度、鹿島の試合を観てみてください。21冠の歴史を知ったあとなら、いつものプレーも少し違って見えてくると思います。

