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データで見る早川友基|セーブ率・被xGからJ1トップGK論を検証する

鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズの試合を見ていると、「また早川が止めた」と感じる場面が少なくありません。一方で、GKの評価は印象に左右されやすく、本当にJ1トップクラスなのか、数字で確かめたくなる人もいるはずです。

今回は2025年J1リーグのデータを中心に、鹿島の守護神・早川友基選手を見ていきます。セーブ率や被xG(被シュートの失点期待値)から、早川選手の強みを考えてみましょう。

早川友基の2025年J1成績を確認

まずは、2025年シーズンの基本的な記録です。早川選手はJ1全38試合に先発し、出場時間は3420分。シーズンを通してゴールマウスを守り続けました。

鹿島は2025年、リーグ戦で31失点。完封は16試合を記録しています。失点数はリーグ2位、完封数もリーグ上位に入り、守備の安定感が際立ったシーズンでした。

さらに、早川選手はリーグ最多となる107セーブを記録しています。シュートを多く受けながら、それを上回る形で失点を抑えた点が重要です。鹿島の守備陣が相手の攻撃を完全に封じたというより、最後の局面で早川選手がチームを支えた試合も多くありました。

2025年のJリーグアウォーズでは、GKとしては注目度の高い最優秀選手賞を受賞。ベストイレブンにも選ばれています。タイトル獲得に貢献したことも含め、数字と評価が結びついたシーズンだったと言えます。

セーブ率約78%はJ1トップクラス

セーブ率とは、相手の枠内シュートに対して、どれだけ止めたかを示す数字です。2025年の早川選手は、J1公式データでセーブ率78%と、リーグトップの数値を記録しました。資料によって小数点以下の表示は異なりますが、いずれにしてもリーグ最高水準です。

GKのセーブ率を見るときは、単純に高ければよいわけではありません。遠い位置からの弱いシュートが多ければ、数字は上がりやすくなります。反対に、近距離のシュートや相手の決定機が多いチームでは、GKにとって厳しい条件になります。

その点、早川選手は毎試合のように難しいシュートに対応していました。至近距離からのシュートに足を残したり、コースの変わったボールに反応したりと、単なる正面のセーブだけではありません。

私が鹿島を長く見ていて感じるのは、早川選手のセーブには「一歩目の速さ」があることです。シュートを打たれてから大きく飛ぶというより、構えた状態から素早く体を動かしている。だからこそ、見ている側には「そこに届くのか」と思うボールにも手が届きます。

被xGで見る早川友基の本当の価値

xGは、シュートがどれほど得点につながりやすいかを数値化したものです。たとえばゴール前のフリーなシュートは高いxG、遠い位置からの無理なシュートは低いxGになります。

GKを見る場合は、相手に許したシュートのxG、つまり被xGを確認すると、守備の難しさが見えやすくなります。被xGが高いのに失点が少なければ、GKが期待値を上回る働きをした可能性があります。

Jリーグの2025年シーズン総括でも、GKの評価項目として「被シュートの失点期待値」と「被シュートによる失点数」が使われています。このセーブ力の評価で、早川選手はJ1上位3選手に入りました。

ここで大切なのは、早川選手の評価がセーブ率だけで決まっていないことです。相手のシュートの質を考慮したうえで、実際の失点をどれだけ抑えたかが評価されています。

つまり、早川選手は「簡単なシュートをたくさん止めたGK」ではありません。難しい状況で放たれたシュートにも対応し、チームの失点を期待値より少なくする力が高かったと考えられます。

鹿島の守備陣と早川友基は切り離せない

もちろん、GKの数字を早川選手だけの力として見るのは正確ではありません。植田直通選手や関川郁万選手をはじめとするDF陣、前線からの守備、チーム全体の距離感があってこそ、シュートを受ける場面を限定できます。

一方で、守備が崩れた瞬間に最後の壁となるのがGKです。鹿島は試合の流れによって、相手に押し込まれる時間帯もありました。そのときに早川選手が1本止めることで、失点を防ぎ、チームが立て直す時間を作っていました。

特に競った試合では、1本のセーブが勝ち点に直結します。攻撃陣が1点を取ったあと、そのリードを守り切れるかどうか。早川選手の存在は、鹿島の試合運びにも大きく影響していました。

また、早川選手はセービングだけでなく、足元のプレーや素早い配球も特徴です。代表活動でも評価されたように、守るだけでなく攻撃のスタート地点になれる点も、現代のGKとして見逃せません。

早川友基はJ1トップGKと言えるのか

数字だけで「J1で一番」と断定するのは簡単ではありません。GKにはセーブ、クロス対応、ハイボール処理、足元の技術、コーチングなど、さまざまな能力が求められるからです。

それでも、2025年の早川選手には、トップGKと呼ぶにふさわしい材料がそろっています。

  • J1全38試合に出場
  • セーブ率は約78%でリーグトップ
  • セーブ数107でリーグ最多
  • 鹿島の失点31、完封16試合に貢献
  • 被xGと実失点を用いたセーブ力評価でもJ1上位

これらを総合すると、早川選手は「印象だけで評価されているGK」ではありません。相手のシュートの質を踏まえても、期待以上の仕事を続けた守護神です。

もちろん、今後は相手から研究され、より難しい判断を求められるでしょう。それでも鹿島サポーターとしては、ピンチの場面で背番号1が構えている安心感を、これからも楽しみにしたいところです。

早川友基選手を見るときは、セーブの数だけでなく、その前のシュートがどれほど危険だったのかにも注目してみてください。次に鹿島の試合を見るときは、早川選手の一歩目と、セーブ後の配球にも注目すると、GKの奥深さがさらに分かるはずです。